「ゴジラ-1.0」山崎貴監督3冠獲得 続編を求める声に「やってみたい気持ちは、もちろん」!
2024/01/23

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東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)主催の第66回(23年度)ブルーリボン賞が23日までに決定した。

「ゴジラ-1.0」が作品賞、神木隆之介(30)の主演男優賞、浜辺美波(23)の助演女優賞の3冠を制した。また吉永小百合(78)が、00年「長崎ぶらぶら節」以来23年ぶり3度目の主演女優賞に輝いた。20年のコロナ禍以降、見送ってきた授賞式を、2月8日に都内で開催する。

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作品賞を受賞した「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督(58)は、神木隆之介(30)の主演男優賞、浜辺美波(23)の助演女優賞との3冠獲得を喜んだ。

神木はメジャーの映画賞での男優賞は初受賞で、浜辺もブルーリボン賞は初受賞。主演とヒロインが評価されたことへの喜びは格別で「若い2人の頑張りを評価していただいたのはうれしい」と、手放しで喜んだ。

自身も、00年の監督デビュー作「ジュブナイル」から興収12億円を記録し、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや、興行収入(興収)86億5000万円を記録した13年「永遠の0」などを手がけた国内有数のヒットメーカーながら、意外にもブルーリボン賞とは縁がなかった。「とにかく、エンターテインメント映画は賞とは距離がある。評価をいただいたのはありがたい」と喜んだ。

「ゴジラ-1.0」は、1954年(昭29)11月3日公開の「ゴジラ」(本多猪四郎監督)から始まったシリーズにおいて30作目、生誕70周年記念映画という節目の作品となった。

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実写映像にCGなどで製作した映像を加えるVFX(視覚効果)の第一人者として、数億個のポリゴンを使ってシリーズ屈指の大きさのゴジラの顔を実現。加えて、シリーズ30作で初めて戦中、戦後を舞台に描いた。公開8カ月前の54年3月1日に米国がビキニ環礁で行った水爆実験で被爆した、第五福竜丸事件に着想して製作された初代以降、シリーズ各作品の時代は戦後10年以降か製作年と同時代に設定されてきただけに、映像技術、脚本ともに挑戦した1本となった。

初代の公開日と同日の23年11月3日の封切りから11日までの、70日間の国内での興収52億1000万円、観客動員339万人を突破。同12月1日から邦画実写史上最大規模となる2308館で公開した北米でも、10日までの41日間で興収4974万ドル(約728億円)を突破し、アニメを含めた日本映画の興収で歴代2位となった。さらに、日本を除いた世界興収も6110万ドル(約88億円)に上り、全世界興収も140億円を突破した。

大ヒットという数字上の結果だけでなく、作品性も世界から評価された。12日に都内でモノクロ版「-/C」の上映開始と大ヒットを記念した御礼舞台あいさつが行われた際、山崎監督は渡米していた。現地では、エンターテインメント系大作を多く手がけるハリウッドのトップクリエイターたちと対面し対談。その中で「ゴジラ-1.0」への高評価は、映像にとどまらず物語、俳優陣の演技にまで及んだという。

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そうした中「ゴジラ-1.0」として、初めて神木と浜辺に俳優賞を贈り、評価したブルーリボン賞の意義を強調した。「ど真ん中のエンターテインメント作品に出ている俳優の力に、ちゃんと正しい評価をするのは、すごく勇気のいること。ブルーリボン賞は、すごいと思うし、海外の一流監督たちと感覚、認識が同じで、リンクしている。賞の素晴らしさが今回、証明されたとも言えるのではないでしょうか」とブルーリボン賞への賛辞があふれた。

「-/C」大ヒット御礼舞台あいさつでは、観客だけでなく神木、浜辺ら俳優陣の間からも、同じキャストが再集結しての続編を求める声が湧いた。可能性を聞かれると「今回はゴジラだけが虚構で、超兵器も出てきていないし、SF的な要素を可能な限り排除し、リアリティーのラインを上げた。1から2に続くとしたら、そのラインの上げ下げを、どうするか」と「ゴジラ-1.0」の製作における基準を明かした。その上で「もし、やるとしたら、リアリティーラインをしっかりしたもの。やってみたい気持ちは、もちろんありますよ」と否定はしなかった。

「ゴジラ-1.0」を公開した途端「ずっと『ゴジラ』を作りたいなと思って生きてきたのに『ゴジラ』を作った監督になってしまった。その寂しさは思いのほか大きかった」と、味わったことのない喪失感を味わっているという。それでも「自分たちで(対ゴジラ超兵器)スーパーXを作ってみたい」と口走り、イタズラっぽく笑った。今回の受賞、そして海外での評価が「『ゴジラ』を作った監督」のままでは、きっといさせないだろう。【村上幸将】

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